土地の有効利用例 その1 ツーバイフォーによる地下1階地上3階建の戸建住宅


既築の地下1階、地上3階建の戸建住宅を紹介します。

まず、竣工当時に新聞に掲載された記事から抜粋しますと

「Tさんの敷地は敷地の高低差が5.5Mあり、南面と西面が擁壁になっていた。敷地の30%を占める擁壁上に建物を建てるとなると、構造的にもセットバックさせる必要があり、第一種住居専用地域の1M壁面後退を加味すると殆ど庭が残らないということになる。そこで西側の擁壁を取り壊して半地下にコンクリートの箱を挿入し、新しい土地を獲得することを計画した。」

といった内容で始まっています。

ただ、この土地はTさんが建築条件付きで購入されたため、メーカーからの保証を得るために設計をその住宅メーカー(ダイケンホーム)の基準と施工レベルに合わせた仕様とせざるを得ませんでした。

周辺の同じような立地の敷地は残念ながらこのような特殊解を取っていないために、建物の南側には猫の額ほどの土地しか確保できていない家が殆どです。最初から、無駄な擁壁など作らず有効利用できるような建築と一体になった土地分譲方式であったならこのようなことは防げたはずなのですが、残念ながら通常はそのようにしてつくられている宅地が殆どなのです。

このように、与条件が悪い土地であっても、何とか工夫すればその土地での最適の解が得られるのではないでしょうか?土地の値段は、バブル崩壊後安くなったといっても、随分と高価なものです。すぐに諦めないで、じっくりと考えてみることも必要だと思います。

このように考えますと、建築の設計というのはどこか医者の診療行為と似ていませんか。医者の診療行為とは、診察〜診断〜治療ということですね。住宅の設計をこれにあてはめますと、敷地(及び法規)調査〜アイディアの提示・検討〜設計(基本・実施)と言う事になるのでしょう。

一般解と違い特殊解は、診断・治療するほうもリスクが多く大変です。その為、住宅メーカーなどではなかなかうまくいかないのだと思いますが、せっかくのチャンスがあるのに適正解を見つけられないというのは残念でなりません。建物が完成したその時から一つの環境を形作るのですから。

 外観写真  階段室

98.6.29登録