ミスマッチ
等々、人と人が集まると、モノとモノがぶつかるといろんなミスマッチが起こります。 住宅を新築した際にも、ミスマッチが起こっています。クライアント:設計者、クライアント:施工者、設計者:施工者というふうにいろんな組み合わせで起こっているようです。最初、お互いそのことに気づかないのですが、出来上がってしまってトラブルとなる。こんなミスマッチは出来ればお互い避けたいものです。 なぜ、このようなミスマッチが起こってしまうのでしょうか? これは、情報とコミュニケーションの不足が主な原因ですが、一般的にクライアントにとっては(おおよその検討はついていても)出来上がるまではどんなふうになるのか理解できないことが多いのです。だからといって、勝手に設計者や施工者が何をしてもよいというのはナンセンスで、あくまでも住宅は「住み手」のものであるわけですから、お互いのよりよいコミュニケーションによってミスマッチのないよう心掛けたいものです。 情報というのは曲者で、同じ事柄であっても手書きと活字、口コミとマスコミでは受け取り方が異なります。一般に、新聞やテレビ・業界雑誌などのマスコミは(その名前と実績により)いつも正しいかのような感覚があります。しかし、意外とそうでないことが多いのです。どの専門誌にしても書店に堂々と並んでいる為、随分影響力がありますが、内容が各企業の宣伝広告や売れ筋に合わせたものでないと成り立ちにくいからか、時折随分と内容が偏っている場合があるようです。私たち自身が、いつも注意深く観察し、溢れる情報から正しい事実を見極めることが必要なのだと思われます。 住宅(建築)は別に特殊なものでも難しくも何でもありません。衣服や食事などのごく日常的な行為と重ね合わせて考えると分かり易いのではないでしょうか。同じ人間の営みから生まれる事ですので必ず共通項があるものなのです。なにか、おかしいと感じた時は是非一度問いかけてみてください。そこで、納得のいく説明や答えが返ってこなければ、ひょっとするとミスマッチが起こっているのかもしれません。建築物のデザインやプランには、必ず何らかのはっきりとした理由があるはずなのです。だからといって我がままに何を言ってもいいというわけではありません。クライアントも設計者も施工者も職人も、誰が主で誰が従でもないのです。それぞれの立場で一つの目的に向かって、共同作業の役割を分担しているのです。このことを全員が認識し、お互いを気づかえば、ミスマッチは起こらず結果は良好となるのではないでしょうか。とにかく誰にしても、人生の貴重な時間を費やすわけですから、充実した状態で関わらなければその時間は無意味であると思われます。 こんなふうにして出来上がった住宅ですが、完成してからが本当の始まりといえます。そして、竣工後10年ぐらいたって、初めてようやくその実像が見えてくるものではないでしょうか。10年後20年後と、いつでも気軽に声を掛け合えるような関係でありたいものですね。 |