WHO(世界保健機構)の憲章による「健康」に関する定義によると、「健康とは単に病気でないとか、虚弱でないというだけでなく、身体的・精神的・社会的に十分に良好な状態のこと」である。これは
1)「身体的に」とは「体にやさしい」こと。即ち、身体に有害な物質を含まない建材を可能なかぎり使用すること。
2)「精神的に」とは「ストレスの少ない空間」のこと。すなわち、家族の連帯感が感じられる開放的な空間を実現すること。
3)「社会的に」とは「環境に配慮する」こと。即ち、地域性を考慮し、省エネルギーを考えた家をつくること。
ということになります。
それでは具体的にはどうすればいいのでしょうか?
1)有害物質を含む建材を出来る限り使用しない〜自然素材を使おう
最近問題となっている「シックハウス症候群」の原因物質であるホルムアルデヒドや有機溶剤、有機リン系化学物質などを含む建材を使用しないこと。その一番の解決策は、自然素材を使用することです。しかし、自然の素材は割れる・反る等の特性があることを知って使用しなければなりません。しかし、それ以上に自然のものでしか味わえない、長くつかって愛着の湧く「もの」の大切さを感じながら、生活することが出来ます。そして、本物だから「こころの豊さ」を実感できるのではないかと考えます。
2)ダニ・カビの発生を抑える
(適切に)断熱性を良くすることにより結露を防ぐことが出来ます。結露をなくすことによって、ダニ・カビの発生を抑えることが出来るのです。アレルギーの原因物質であるダニ・カビが少なくなれば、体質改善にも役立つものと思います。
3)通風・換気が大切です
有機物質を含む建材を出来るかぎり使用しなかったとしても、私達が生活する中には、家具や生活用品などまだ多くの有害なものがあります。室内には空気汚染があるという前提で考えるならば、換気が大切になります。ただ、全て機械だけに頼るのではなく自然換気と機械換気を組み合わせた24時間換気を行いたいと思います。
4)ほどほどの気密で良い
換気が必要であるならば、給気が必要です。魔法瓶のような気密の高い家では機械による強制的な換気しかありません。健康に自然な生活を考えるならば、寒くならない程度の地域に合わせた、ほどほどの気密があればよいと考えます。
1)こころの「癒し」が感じられるように
子供室などに鍵がかかり家族がそれぞれの部屋に閉じこもる。個室の中で何をしているか家族は知らない。こんな生活では家族のまとまりを感じるのは無理でしょう。また、特に父親は仕事に疲れて帰って、ただ寝るだけの家では寂しいものです。そこにはこころの「癒し」がありません。
2)プランは出来るだけオープンに
家の中で家族の物音や人影で気配を感じ、間仕切りの少ないオープンな空間の中で楽しい生活が出来るならば、そこには「家族」があり、仕事で疲れた体にも「癒し」を感じる空間となります。
3)自然素材を使う事や手入れすることを通して自然とのふれあいを
自然の素材は割れる・反る等の特性がありますが、愛情を込めて手入れすることで自然のものでしか味わえない、長くつかえる愛着の湧く「もの」となります。また、手入れをする事を通じて「ものである自然や人」の大切さを感じて生活することが出来ます。<back>
1)地域性を考慮する
日本と欧米では気象条件も生活文化も違います。都市化と通信の発達がこれらの地域特性を忘れさせてしまったのかもしれませんが、土地固有の風土と習慣、それにそこに住み生活する人々がいます。地域の材料で地域の職人さんによる、その地域に合った家づくりが必要と考えます。自然には1/fという「ゆらぎ」があり、その秩序が私たちを和ませているそうです。ビニールクロスなどの石化製品ではなく、自然の無垢の木が床や天井にふんだんに見える木の感覚のインテリアを提案します。<back>

2)省エネルギーの家であること
冬は太陽光を積極的に取り入れ、夏は出来るだけ避ける。そのような工夫が必要ですが、昔からその地域にはその気候風土に応じた知恵がありました。均質な工業生産がそれらを忘れさせてしまったのです。勿論、手作り感覚で作り手も、使い手も面倒臭がらずに取り組まないといけませんが、いろいろ学習することできっとより良い住い方が見つかると思います。しかし、あくまでも断熱性能を確保するなど、基本的な諸性能を満足したうえの話ですが。<back>